物理センサの実験



  1. 金属探知機 (モノコイル型)


  トランジスタ 2石の簡単な構造で、コルピッツ発振回路による自励発振回路で 300kHz程度の周波数の電磁波をコイルから印加し、その反射波による電圧の減衰を検出する。 発振・検出コイルは送受信兼用で、φ0.6mmポリウレタン線を φ65mm25Turn 密巻き(L≒80μH)(・・・殺虫剤のカンに巻きつける)にして、検出板に固定した。
  ダイオードで検波したばかりの電圧(a点、数100mV)は不安定なので、Tr2 で DC増幅して 数V程度の安定した電圧にする。 発振部の5kΩVRと、コンパレータの基準電圧を決める10kΩVR(多回転)をそれぞれ調整して、 b点: V=2.1Vc点: V=2.0V になるようにした。 (少し オペアンプのマイナス側が高い状態)

  ここで、コイルを導体に近づけると、金属導体からの反磁場により全体のインダクタンス(L)が下がり、発振周波数( f )は上がり、その結果 b点 の電圧(V)は下がり、反転コンパレータにより 出力電圧ON になる。 オペアンプには 高出力オペアンプ 4556AD(Imax=70mA)を用いて、電子ブザー(5V、φ12mm、max30mA)が十分鳴るようにした。 (汎用オペアンプの LM358N でも一応可能だった。 ブザーがうるさいのでブザーを切るスイッチを入れた。)

  (結果) ・ アルミ板、銅板などの非磁性金属にはよく反応して、元の発振周波 300kHzから上昇して、 t=1mmAl板・接触: f=480kHz(f点)、 プリント生基板(Cu箔・35μm)・接触: f= 450kHz などとなった。 → V (b点) は下がり、反転コンパレータにより LEDが点灯し、ブザーが鳴る。
    ・ t=0.5mmの鉄板では、この周波数は十分高いので 導体としてふるまい、f= 410kHzとなった。 (数kHz以下にすると、磁性体としてふるまい、周波数は下がると考えられる。)
    ・ 逆に、軟磁性体で電気抵抗の高い フェライトでは、(LEDがつく状態に調整して)LEDは消灯となった。 Mn−Znフェライト(〜100kHz): 270kHz、 #77材(〜10MHz): 290kHz。
    ・ 各物質では、 黒鉛板: LED点灯、 黒鉛紛: 弱く点灯、 シリコン塊: つかない、 ゲルマニウム: つかない、 ヒ素(金属ヒ素): 点灯、  ナトリウム、マグネシウム、インジウム、チタン(板)、スズ、ビスマス、水銀、金箔(積層)、などの金属類はすべて点灯 (容器の外から)、 アルミ微粉末: つかない


  * 実際の工場等での使用(鉄・非鉄金属異物等の除去)には、送信コイルと受信コイルとを分け、その間に品物をコンベア等で通らせて検出する。 鉄には低周波用(V上がる)、非磁性金属には高周波用(V下がる)の、それぞれ発信コイルと 受信コイルを用いる。(コイル4つ)

  ** ディップメーターの原理(下の方)と同様に、因果律に関する大きな謎がここにもある。 検体との電磁気的結合がある場合、それも周波数を決めるパラメーターに含まれ、しかもその結合が超光速、かつ、遠隔的に(=非因果律的に)行なわれると 考えられる。

 
    




  2. 超音波距離計


  10年ほど前は、超音波発振器部分しかなかったので、アナログ回路も含め 一から始めて距離計を作っていた。 今はずっと作りやすくなっており、超音波距離センサ・モジュール HC-SR04秋月、中国製、 電源3−5.5V、3mA、出力超音波40kHz×8波、測定可能距離 30〜4500mm)を用いて 超音波距離計を作ることができる。 HC-SR04は、GPIOモード(基板の抵抗:R4/NC、R5/NC のデフォルト、 今回これを使う)と、UARTモード(R4/NC、R5/10kΩ)、I2Cモード(R4/10kΩ、R5/NC)の3モードを選択する事ができる。 補正などせずそのまま使いたければ、UARTやI2Cの通信モードにして使うことになる。

  GPIOモードでは、 T(トリガ)端子に 幅10μSのトリガパルスを送ると、モジュール内部で計算し、E(エコー)端子から 非測定物までのかかった往復の時間長さのパルス(5V、3.3V機器に対応できるように、約3.2Vで。 max80mS)を返してくるので、これをマイコン等のデジタル端子で受け、計算し 出力する。

  トリガを送る方は問題ないが、エコーを受け取る側では、赤外線受信器のように While文を用いて、 While(IN) (INがONになるまで待つ) TMR1L = 0; TMR1H = 0;(タイマをゼロクリヤ) While(IN == 0)(INがOFFになるまで待つ) TL=TMR1L; TH=TMR1H; タイマ1オーバーフロー・フラグ== 1 になったら A = 1;(キャプチャ) 等とすると、 信号が来ないと、あるいは途切れると、いつまでも待ち状態になって止まってしまう、という問題がある。
  そこで、ラフな信号でも処理でき、ラジコン等でも用いられる、サンプリング方式とする。(参考:34.オペアンプフィルターの下の方) 約10μS刻みで 10000回 サンプリング(=約100mS)し、ONになった回数 n をカウントして、音速(空気、20℃) = 343(m/S)として、

     0.01(mS) × n(回) × 343(mm/mS) ÷ 2(往復分) = 1.715 ・ n (mm、片道距離)

  これをマイコンに書き込み 一度作成して、 次に、短い刻みなので、PIC内で遅れ誤差が生じるため、実測して(30cmの定規を壁に当てた測定値: 300mmで 256mmと表示した)、

     ∴  1.715×(300/256) ・ n = 2.010 ・ n

のように補正する。 小数点を含む計算なので、変数を double に型変換して 計算した。(参考:27.Lメータ回路) (* long 型整数値には 最後に L を付ける(12345678L など))

  ・ 3cm〜450cmまでの測定範囲なので、それ以外の値では 「Error」の表示とした。
  ・ また、割込みスイッチを設け、ボタンを押すと 測定値の表示が固定されるようにした。

  
 

         PICプログラム(PIC18F14K50)




  3. 減圧(真空)センサ:


  5V電源で、常圧から真空まで 直線性の良いデータが公開されている、MIS−2500−015V (〜 −1000HPa、5V、2mA)を用いて、真空計を作る。 アナログデータを受けて パソコンにUSBで送り 電圧計表示とするために、PIC18F14k50 を用いた。 (* PIC18F14k50には AD変換がうまくいかないものも混じっているので 注意が必要)

  ・ P(atm×100%) vs. Vo(出力電圧) のグラフより、圧力(負圧)を振って、それぞれの電圧を測定し、PICの Vref− で低電圧側、 Vref+ で高電圧側の調整を行なう。
  ・ センサへの接続は、10cm程度の φ3mm×φ5mmの シリコンゴム管を用いた。 吸引は、30ccの大型注射器と、エアポンプ(11V駆動・200mA)で行なった。
  ・ センサの幅が 通常のDIP8p等のICの幅よりも広いので注意。 筆者は通常の8pソケット(丸ピン)を基板に付けて それに片側だけを差し込んだ(反対側はNC)が、基板の穴の幅を広くして直接ハンダ付けをしても良い。



  (測定・調整)

センサVo(V) 0−1000目盛り Vref−、Vref+
注射器 0cc(常圧)   0.24       0 −:0.37V、+:5.0V
注射器 2cc/30cc   2.67     640
注射器 4cc/30cc   3.61     770
注射器30cc/30cc   4.62     970
エアポンプ   2.90     680


  (結果) Vref−(常圧)は問題ないが、Vref+は ほぼ電源電圧(5V)にしても調整範囲を少し超えて、PCグラフ(max1000)に正確には収まらなかった。(PICのADコンバーターで1024分割のため) ほんの少しの差であるが、正確にするには、2.と同様に、double にして数値計算して出すしかないと思われる。(×1000/1024 = 0.9766

  そこで、PICプログラムに 補正計算を入れ、Vref−、Vref+は仕様書のグラフの通り、それぞれ 約0.25V、 約4.75Vに戻した。



      PICプログラム(PIC18F14K50)(補正済み)  lib_adc、     PCプログラム(VB2010)   グラフィック   モジュール

      PCプログラム: Chemical sensor .exe ファイル ・・・ VB2010で作れなかった場合 ダウンロード




  4. GPS ロガー:


  前回、GPSモジュール GM-316(台湾製) による 33.GPSロガーを作成したが、今回は、さらに感度の良いGPSロガー・キット秋月GYSFD MAXB (「みちびき」対応、太陽誘電)を用いて、同じような回路で、PIC24FJ64GB002 (3.3V、16bit)、SB1602BW (I2C・アイコン表示付き・3.3VLCD・バックライト付き、ストロベリーリナックス)、SDカード(スタンダード)を用いて作成した。

   感度比較:  GYSFD MAXB  ・・・ 収集時(追尾): −164dBm、 捕捉時: −161dBm、 測位精度: 2m
         cf.  GM−316 ・・・ 収集時: −142dBm、 捕捉時: −159dBm、 測位精度: 2.5m
             GPS−54型 ・・・ 収集時: −142dBm、 捕捉時: −134dBm、 測位精度: 15m
であり、GYSFD MAXB かなり感度が良く、より実用的 ということになる。 実際、電源(+4.5V)を入れてみると、木造家の2階から コールドスタートで 30秒から1分くらいで 8〜11個の衛星を捉えた。(GM-316は数分で 6〜8個) (経度・緯度、時間はOK。 ただし、高度の精度は、平地では相変わらず良くない。)

   GYSFD MAXB もまた、シリアルで送・受信するが、デフォルトで、通信速度が 9600bps であるところが唯一異なる。 このため、初期化関数の UART1の初期設定は、 U1BRG = 103; に変更した。 (cf. GM−316では、4800bps、U1BRG=207; だった。)

  ・ 受信メッセージ(NMEAフォーマット)は、1Sごと、シリアル9600bps、8ビットで、 $GPGGA、 $GPGLL、 $GPGSA、 $GPGSV、$GPRMC、 $GPVTG、 $GPZDA の順になり、 GM=316が $GPGGA、 $GPGSA、 $GPGSV、 $GPRMC、 $GPVTG であるのに対し、2グループ多い。 同様に、すべてのデータをRAMに一時保存するが、SDカードメモリには、地図ソフトのカシミール3D等に必要なGPGGAの一部だけを記録するので 問題ない。 (変わらず)
   記録時間間隔は、10秒とした。 (変わらず)
  ・ 時間表示も GM-316 と同様に、9時間足して 日本時間とする。 (変わらず)
  ・ USBにつなげると、V‐bus(15pin)がONになりUSB‐MSDクラスが成立して、SDカードの中身を表示し パソコンが自分のリムーバブルディスクと判断して動作する。 編集や記録・消去もPCで行なう。 (変わらず)

  
    

        PICプログラム(PIC24FJ64GB002、.hex ファイル) (メモ帳に貼って用いる)  (プログラムの詳細は 33.GPSロガー 参照)


  (地図上表示)

   地図ソフトのカシミール3Dは、「ヘルプ」、「最新情報表示」から、「基本フリー」にアップグレードし、(国土)地理院地図(高度データなし)や航空写真、山岳地図などに切り替えての表示ができるようになった。

  ・ カシミール3Dで対応できる CSV形式は、次のフォーマットで与えられる。 各項目の間には カンマ(,)を入れる。 下の括弧の文字や桁数の足りない数値は無くてもよい。”名称”は、付けると 地図上でウエイポイントを表示する際、横にその名称を付けることができる。 ルート、トラックには ヘッダを付ける。
  また、ウエイポイント、ルート、トラックの いずれか一つのデータがあれば、ソフト内の 編集 → データエディタ の操作で 互いに変換可能で表示される。
  ・ ウェイポイント:  アップグレードの結果、経度、緯度の表示は dd°( ddd°) mm′ ss.s″(ddd.mmss)でも、ddd.dddd でも、どちらでも良くなった。 ( , と , の間に、”名称”、”日付”データが無ければ、 そのままで良い)
    (例)  W1,,35.44660,138.28082,56.8,,15:12:56,  など 

   カシミール3Dの「GPS応用編」のDVDをPCに入れて、メニューから 「関連情報を読む」、「プラグインの説明とインストール」をクリックし、「GPSファイルツール プラグイン」を選びインストールする。
   次に、カシミール3Dのソフトを開き、 ツール → GPSファイルツール → CSV形式から読み込み で、ウエイポイントがそのまま地図上に表示される。 また、編集 → GPSデータ編集 → 変換 で ルート、トラックに変換できる。

    

  * 何回か測定して、ほぼ同じ区間で飛ぶので、その地域に 携帯中継局などの周波数の近い電波源があるものと思われる。 その他の場所では 数mの誤差で位置を捉えている。(GPSモジュール・GYSFD MAXBの受信周波数は、1.575GHz(L1波)。 GPS衛星は、L1波(1575.42MHz)やL2波(1227.60MHz)、L5波(1176.45MHz)などの複数の周波数を発信



     §  ノアの箱舟の 調査:

  「金属探知機」は、徳川の埋蔵金を探すためではなく(?)、空港の荷物検査、不発弾や地雷の撤去、鉱脈の探査などに、また工場では金属異物の検出・除去に、役に立っています。

  1978年、トルコ西部に起こった地震によって、アララト山を含む山地(「アララトの山々(複数)」(創世記8:4))のイラン寄りのある地域では、ノアの箱舟と思われる遺跡の周りの地盤が沈下し、舟の側面の肋材部分が出てきたのを、アメリカの調査チームが発見し、24回も調査が行われました。 柱と梁の構造、横穴を開けた所からの木片や猫科の動物の毛などの、ノアの箱舟を特徴付けるものが次々と明らかになっていきました。 (現在はトルコ政府の管理下にあります。)
  その際、金属探知機(2コイル式)が用いられ、柱などに付いている多くの金属製のリベットが発見されました。 このリベットは、アルミニウムやチタン、マグネシウムを含む「アルミ青銅製」で、ノアの洪水以前の世界ですでに、高度な軽金属の電解精錬技術があったことが明らかにされました。 金属精錬技術は トバル・カインによって始められたと書いてあります。(創世記4:22)

  「ノアの洪水」があったことは事実であり、聖書の記述が正しいことが裏付けられたのです!


          ノアの箱舟の発見        聖書関連のDNAまとめ

 



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